GNSS (Global Navigation Satellite System) 受信機には、1Hz以上の更新レート、実装が容易であることなど、さまざまな満たすべき要件がありますが、中でもスマートウォッチ、トラッカーにおいては測位時のバッテリー消費による駆動時間の低下が常に課題となっておりました。消費電力の問題により、IoTデバイス等ではGNSSの搭載が進みませんでした。
この課題を解決し、GNSSの用途を拡大するため、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)ではFDSOI(Fully Depleted Silicon On Insulator:完全空乏型SOI)プロセスや超低消費電力RF回路設計などの画期的なシリコン設計技術を生かしたGNSSデバイスを開発しました。
SSSの高精度GNSS受信LSIの開発は、GNSS信号を使用した測位技術は大幅に改善できると確信したことから始まりました。長年の研究開発の結果、SSSは低消費電力と高精度受信機で業界トップレベルを実現しています。SSSのチップセットは、世界中でこれまでに1億台以上を出荷し、100社以上のお客さまへ提供しており、民生用ウェアラブルから産業アプリケーションまで、幅広い製品に使用されています。
さらにスポーツ系ウェアラブル製品から車両用トラッカーまで幅広い用途に応じて豊富なアルゴリズムを用意することで、さまざまなユースケースで最適なソリューションを実現できるようにしました。
特長
業界トップレベル*1の低消費電力・高精度
SSSのGNSS製品ラインアップは、業界をリードする消費電力性能と優れた位置精度が特長です。L1帯・L5帯に対応し各国の衛星システムをサポートすることで、見通しが悪く厳しい環境でも高精度測位を実現します。もちろん、見通し外(Non-Line of Sight)の状況においても効果的な信号受信が可能で、条件の厳しい環境下でも高い性能を発揮します。フットプリントも10mm2未満に抑えられており、人やペット、ドローン、商品、乗り物など移動を伴うユースケースでの活用に最適です。